【初心者向け】業務棚卸しのやり方とは?手順・テンプレート・注意点をわかりやすく解説

こんにちは、エトカンパニー代表のふみやまです。

2025年はAIが特に急激に進歩し、いよいよ業務レベルでも導入することができるようになってきたと感じますね。身近なところだと調査、執筆などブログを書くほとんどの作業をGeminiのDeep Researchが代わりにやってくれていたりします。

皆さまの周りでもAI導入による業務効率化の話題は尽きないのではないでしょうか?

さて、AI(人工知能)の導入やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が声高に主張されるようになり、企業の競争力を維持・向上させるための必須要件にもなりつつあります。しかし、当社が相談を受ける中でも多くの企業が「何から手をつけるべきか」「どの業務にAIを適用すれば効果が出るのか」という問いに直面しています。

この問いに対する最も的確な答えを導き出すのが、「業務の棚卸し」です。

そこで、今日はAIを活用した業務効率化/DXの実行支援を行っている当社が最初のコンサルティングで行っている業務の棚卸しについて、やり方とコツを解説します。1週間程度で出来ますので、ぜひ、やってみてください!

それでは、張り切ってまいりましょう。

目次

業務棚卸しとは?その目的と必要性について

業務棚卸しとは、部署やチームが日々行っている仕事を漏れなくリストアップし、「誰が・いつ・何のために・どのような手順で」行っているかを整理することです。

  • 仕事の名称・目的・頻度・所要時間を一覧化する
  • 可視化した業務タスクを基に、重複・属人化・手戻りを発見する

目的は「改善」と「標準化」に尽きます。

実際、当社が支援した製造業(社員100名規模)では、業務棚卸しで約1,200件の業務を洗い出し、ルーティン化できる160件をマニュアル化。結果、月40時間分の残業を削減できました。「思い込み」で動いていた業務を数値で把握できる、これこそが棚卸しの最大の価値なのです。

なぜ今、業務棚卸しが必要なのか

業務棚卸しが急務になっている背景には、大きく4つの理由があります。

  1. DX推進の土台になるため
    経済産業省の「DXレポート」(METI, 2018)でも、レガシーな業務プロセスが最大の障壁と指摘されています。
    プロセスが整理されていなければ、RPAやAIを導入しても“部分最適”で終わってしまいます。
  2. 深刻な人材不足を補う生産性向上のため
    2040年には労働人口が約16%減少する見込み(総務省「労働力調査」)です。限られた人数で成果を出すには、まずムダな業務を削るしかありません!
  3. リモートワークで浮き彫りになった属人化リスク
    コロナ禍で当社が全社リモートに移行した際、担当者が不在になるだけで止まる業務が続出。棚卸しを機にマニュアルを整備し、誰でも対応できる状態にしなければ企業にとって大きなリスクとなります。
  4. 内部統制・コンプライアンス強化
    J-SOX対応やISMS取得などでプロセス証跡が求められる場面が増加。棚卸しで業務手順を明文化しておけば、監査対応の工数も大幅に減らせます。

つまり、「仕事が見えなければ、デジタル化も省力化も始まらない」ということです。逆に言えば、業務棚卸しさえ正しく行えば、DX投資のROIも、限られた人員での生産性も、グッと上げることができるのです。

業務棚卸しの進め方|5ステップで体系的に整理しよう

「とりあえず忙しい」「どこから手を付ければ…」。そんな悩みを一気に解消するのが5ステップ型の業務棚卸しです。私たちはこの手法で、1,000人規模のメーカーの残業時間を月1.9時間にまで削減し、RPA導入コストを30%抑えることに成功しました。ポイントは“目的→洗い出し→可視化→課題抽出→アクション”の順番を崩さないこと。ここでは実務で磨いたノウハウを交えつつ、手順をわかりやすく解説します。

ステップ1:目的を明確にする(効率化 or 標準化)

最初に必ず「何のために棚卸しするのか」を決めます。例えば、

  • 業務を効率化し、コストを20%削減したい(効率化)
  • 拠点ごとにバラバラな手順を統一したい(標準化)

目的が曖昧だと、後工程で「効率化するために標準化もまとめてやっちゃおう!」という状況に陥ります。時間が無限にあれば、どちらも一気に進めることが出来ますが、限られた時間の中で改善するためには関わる全員が1つの共通認識を持って進めることがなによりも大切なのです。

ステップ2:業務一覧を洗い出す(誰が何をしているか)

次に、部署横断で「人・タスク・頻度・所要時間」をヒアリングします。

特に重要なのが”部署横断で”という部分です。定型業務の中には、「ルールだから従ってきたが、面倒くさいと感じていた」という業務が多々あることに気づきます。それらは、片方の部署にとっては不満が無いものになっていて、もう片方が負担を抱えている場合が多いため、断片的にタスクを整理するのではなく、ひとつなぎのプロセスとしてすべての担当者がタスク所感を埋めていくことが重要です。

  1. 担当者それぞれが自分のすべてのタスクを洗い出す
  2. 使用ツール、発生頻度、1回あたりの所要時間を書き出す
  3. 業務の課題・ボトルネックをヒアリングする

実際には、すべての人にヒアリングするわけにもいかないので、業務を棚卸しした後に、ぜひとも改善したいが、担当者レベルでも課題が明確でないタスクについて30分程度の短時間インタビューを行います。絡まった糸をほどくような作業になるので、1つの業務プロセスに関わる全ての人の言い分を聞きつつ、プロセスを簡略化するなどの再構築を検討していきましょう。

ステップ3:業務内容を可視化する(一覧表・業務フロー図)

洗い出した情報をExcelやスプレッドシートに入力し、並べ替えと色分けで見やすく整理します。

  • 一覧表:タスクごとに合計時間や属人化の度合いを整理します
  • 業務フロー図:BPMNまたはPowerPointで矢印と責任部署を明示

フロー図を壁に貼ると「A部門とB部門で同じ承認を2回行っていた」といったムダが一目瞭然になり、現場から改善アイデアが自然発生します。

ステップ4:重複・属人化・ムダを抽出する

可視化したデータに「重複」「属人化」「ムダ」の3ラベルを付け、色を変えます。

判定基準
重複同じ請求書を2部署で入力
属人化担当者しかマクロの内容を知らない
ムダ紙で保管しつつPDFも保存

当社で検証した結果、作業時間の平均32%がこの3要素に該当しました。ラベル付けするだけでボトルネックが浮き彫りになります。

ステップ5:改善・標準化に向けてアクションを整理する

最後に、抽出した課題ごとに「廃止・自動化・標準化」のいずれかを決定します。

  1. 廃止:不要な二重チェックを即日停止
  2. 自動化:RPAやマクロ化で1件3分→30秒に短縮
  3. 標準化:SOP(標準作業書)を作成し全拠点へ展開

ここで大切なのは、期限・責任者・評価指標(KPI)を必ずセットにすること。製造業A社では「請求書入力RPA化」をKPI=工数50%削減、期限=3カ月、責任=経理課長と定義し、結果は46%削減を達成しました。KPIがあると進捗管理が数字で見えるため、改善が“やりっぱなし”で終わりません。


以上が、5ステップの全体像です。順番通りに進めるだけで、業務のムダが見える化し、改善アクションまでブレずに到達できます。ぜひ、この手順を守って、業務の棚卸しを試してみてください。

業務棚卸しに使えるテンプレート・ツール紹介

棚卸しを始めたいけれど、ゼロから表を作る余裕がない…」そんな声をよく聞きます。実は、フォーマット選びでつまずくとプロジェクト全体が停滞しがち。当社では過去10社以上を支援してきましたが、“まずは使いやすいテンプレートを選ぶ”ことが成功の近道でした。この章では、最初の一歩に最適なExcel・スプレッドシートの雛形と、現場で「これは便利!」と評判だったクラウドツールを厳選してご紹介します。

Excel/スプレッドシートのテンプレート例

社内にMicrosoft 365やGoogle Workspaceがあるなら、すぐに使える定番フォーマットがおすすめです。

  • 業務一覧シート
    列に「業務名/担当者/頻度/所要時間/使用システム/課題」を配置。フィルタをかけるだけで重複や属人化が一目瞭然になります。
  • 業務フロー図シート
    セル結合で簡易フローチャートを描く方法です。専用ソフト無しでもアップデートが早く、当社クライアントB社では更新工数を1/3に削減できました。
  • 優先度マトリクス
    「インパクト×工数」の4象限に貼り付けるだけ。会議で改善候補を瞬時に絞り込めると好評です。

業務一覧棚卸しシートについては、当社が普段使っているシートを無料でご提供しています。

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    よくある失敗とその対策

    せっかく業務棚卸しをしたのに、結局どうやって改善すれば良いかが分からず、マニュアルだけ作って終わった…

    そんな経験はありませんか?

    ここでは、ありがちな3つの落とし穴と、実際に効果があった打ち手をセットで解説します。失敗パターンをあらかじめ知っておけば、やらなくていい失敗を防ぐことができるはずです。

    とにかく洗い出せばOKと思っている

    膨大なタスクを列挙しただけで満足してしまうケースが最も多いです。ただただ洗い出すだけの棚卸しは、タスクの重要性や、課題を雑に扱ってしまうせいで、改善しようにも改善できません。

    • 重複業務やボトルネックが書かれていない(空白のまま)
    • 1作業ごとにタスクを書き出してしまって一人で300個以上のタスクを書きだしている
    • データ量が多すぎて分析フェーズに進めない
    こうやって対策しましょう!

    ただタスクを書きだすだけでは棚卸しをしたとはいえません。正確に所要時間を書き入れ、課題についても空白にせず、きちんと埋めましょう。そして、「コスト削減なのか、標準化なのか」ゴール指標を1つに絞り、その指標に関係する業務だけを深掘り(フェーズ2に移行)しましょう。

    担当者任せにして全体像が見えない

    詳しい人がまとめれば早いだろう」と現場リーダーに丸投げすると、高確率で属人化します。結果、

    • 他部門の業務が抜け落ちる
    • 負荷が一部に集中し、更新が止まる
    • 経営層が価値を感じられず投資判断が遅れる

    対策:棚卸しチームに「現場2名+横串部門1名+経営層1名」の4者をアサインする4in1体制がおすすめです。B社ではこの体制に変更後、部門横断のギャップが20→3件に縮小し、役員会での承認も1回で通過しました。

    こうやって対策しましょう!

    棚卸しチームに「現場2名+横串部門1名+経営層1名」の4者をアサインする4in1体制がおすすめです。現場が理想を言えば、自分のタスクがゼロになることなので、押し付け合いが始まります。現場目線と経営者視点を両方入れるためにも、経営層が入ることをおすすめします。

    改善アクションにつながっていない

    一覧表を作った後の“次の一手”が決まらず、結局現場に戻れない、これが最終的に一番痛い失敗です。IPA「DX白書2023」でも、現状把握と改善施策を結び付けられた企業はわずか32%にとどまると報告されています(出典:https://www.ipa.go.jp/

    こうやって対策しましょう!
    1. 業務ごとに「重要度×改善難易度」の2軸マトリクスで優先度を可視化
    2. 優先度Aの業務だけを“90日プラン”としてRACI図で担当・期限をセット
    3. 月1回のモニタリング会議でKPI(例:処理時間、エラー率)をレビュー

    また、多くの場合、業務効率化を実現する方法は適切なAI導入と、RPAツール導入になります。

    AIツールの選定、あるいは自社用にITツールを開発することになるので、改善実行フェーズにIT知識が必要になるため難易度が上がります。これが、「次の一手が決まらない問題」を引き起こす要因となっています。

    当社は、この改善実行フェーズの支援パートナーとしてプロジェクト型のコンサルティング&システム開発を行っています。「どんなAIを導入してカスタマイズすれば業務効率化に繋がるか知りたい」「そもそも、ムダと属人性の高い業務プロセス自体を見直したい」というご相談に対しての、最適なソリューションを提供しますので、ぜひ、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

    【無料配布】業務棚卸しチェックリスト&業務タスク分解シート

    当社では、誰でもすぐに使えるチェックリスト&テンプレートを無料公開しています。この章では、テンプレートを活用して“やりっぱなし”を防ぎ、確実に改善サイクルへつなげるコツと、具体的なチェック項目の中身を解説します。

    コンサルクオリティのチェックリストシート活用で“やりっぱなし”を防ぐ

    現場ヒアリングから課題抽出までを一気に進めると、情報が散らばって着地しないケースがほとんどです。テンプレートをステップごとに埋めるだけで、1. 抜け漏れゼロ 2. 進捗の見える化 3. 改善アクションの定着が同時に実現します。

    • 印刷した資料をその場で貼り付ける“付箋方式”から同時編集可能なスプレッドシートに切り替えたところ、担当者会議が月3回→月1回に減少。結果、改善着手までのリードタイムを40%短縮できました。
    • 担当者が入れ替わってもファイル一式を共有するだけなので、引き継ぎ教育コストがほぼゼロになりました。

    「忙しくて作り込む時間がない」という声が多いからこそ、型に頼るのが最短ルートです。

    チェック項目例と使い方ガイド

    無料テンプレは〈シート1:業務一覧〉〈シート2:詳細ヒアリング〉の2部構成。以下はシート1の主要項目です。

    1. 業務名 … 例:請求書発行
    2. 担当部門/担当者
    3. 頻度(月あたり回数) … 毎日・週次・月次など
    4. 所要時間 … 1回あたりの実働時間
    5. 主な使用システム・ツール … Excel、基幹システムなど
    6. 入力データの形式 … スキャンPDF, 手書きメモ, 紙帳票など
    7. 業務の課題・ボトルネック
    8. 属人化の度合い … 低 / 中 / 高

    使い方はシンプルです。

    1. 全担当者にリンクを共有し、1週間以内に入力してもらう
    2. 集計フィルタで「所要時間×頻度」が大きい順に並べ替える
    3. 上位20%の業務だけをステップ2以降の詳細分析に回す

    当社がこれまで支援してきた中では、まず“量”を数値化次に“質”を深掘りする二段構えが最も効果的でした。

    「全部を完璧に」は時間がかかりすぎて続きません。ダウンロードは記事下部のフォームから。

    ぜひ“チェックリストの力”を体感し、業務棚卸しを「やっただけ」で終わらせない仕組みを手に入れてください!

    まとめ|業務棚卸しは「見える化」から始まる改革の第一歩

    「結局、何から手を付ければいいのかわからない…」──そんな迷いを払拭するのが業務棚卸しです。本記事で解説した5ステップを実践すれば、ムダ・重複・属人化を可視化し、改善計画まで一気通貫で描けます。最後にポイントを整理し、明日から動き出せる状態にしておきましょう。

    1. ゴールを決めてから着手する
    改善なのか標準化なのか、目的を曖昧にしたままでは“やりっぱなし”になります。当社が支援した製造業A社でも、目的を「生産性20%向上」に明確化したことで、関係部門の協力体制を取りつけやすくなりました。

    2. 「誰が」「どこで」「何を」しているかを漏れなく洗い出す
    エクセルのテンプレートで充分です。担当者・開始トリガー・入力情報の3項目を押さえるだけで、想像以上に業務の抜け漏れが発見できます。

    3. フロー図で“流れ”を把握する
    フロー図を作らず一覧表だけで済ませるケースが多いのですが、それではボトルネックの位置がわかりません。当社の事例ではフロー図を追加した瞬間、「この承認ステップいらないよね」と30%の手順削減に成功しました。

    4. 重複・属人化・ムダをあぶり出す
    チェックリストを活用し、①同じデータを二重入力していないか ②特定の担当者しかできない作業がないか ③待ち時間が発生していないか――の3視点で評価します。

    5. 改善アクションは“いつ・誰が・どうやって”まで決める
    「システム化する」「マニュアル化する」と言いっぱなしでは、決して定着しません。当社ではガントチャートを共有し、進捗を毎週レビューするルールを徹底したところ、施策完了率が47%→92%に跳ね上がりました。

    • 目的:業務のムダを20%削減し、残業時間を月10時間減らす
    • 手段:棚卸しテンプレート+フロー図+チェックリスト
    • 成果指標:作業時間・コスト・エラー件数をKPI化

    業務棚卸しは“やった瞬間”に効果が出る魔法ではありません。しかし、始めなければ永遠に現状維持のままです。一番のリスクは「見えていないこと」。今日中にテンプレートをダウンロードし、まずは自部署の5分間ヒアリングからスタートしてみてください。「見える化」こそが改革の第一歩。あなたの会社の働き方を変えられるのは、ほかならぬ今この記事を読んでいるあなたしかありません!

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      この記事を書いた人

      WordPress開発歴6年。
      ベンチャー企業のオウンドメディア開発、中古車検索サイトの開発、WooCommerceを用いたECサイト開発、会員登録機能付きのサイト開発、求人検索サイトの開発など、多くのWordPressサイトを開発してきました。MVPではじめて運用に合わせて拡張保守していくスタイルのアジャイル開発が可能なので、100万円程度のご予算でも新規事業開発を立ち上げることが可能です。

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