「お問い合わせフォームからのメールが届かない!」というお問い合わせを最近とてもたくさんいただきます。
特に Gmail や携帯キャリアメール(docomo、au、SoftBank)に届かないケースが多く、 ビジネスにおいては大きな機会損失につながることも。この記事では、メールが届かない原因とその解決策を分かりやすく解説します。
メールが届かない原因は?
メールは、メールを送るソフトと、受け取るソフトの2つがやりとりしあって、送受信が完了するわけですが、スパムメールやフィッシング詐欺に対応するため送る側のソフトも受け取る側のソフトもある程度のセキュリティ対策をしています。概ね、メールが届かない、という問題はこのセキュリティ対策に引っかかってしまっていることが原因です。
1. レンタルサーバーのメールソフトを使っていると届きにくい
多くのサイトが利用するレンタルサーバーでは、複数のユーザーが同じIPアドレスを共有しています。 そのため、他のユーザーがスパムメールを送信してしまうと、 サーバー全体の信頼度が低下し、メールが届かなくなることがあります。
2. PHPの mail()
関数で送る仕様の場合は届きにくい
多くのWordPressサイトでは、PHPの mail()
関数を使ってメールを送信していますが、 これには認証機能がなく、迷惑メールとみなされることがあります。
3. SPF・DKIM・DMARC 設定を忘れていて届かない
これは送る側のソフトがやらなければいけない設定です。これらのメール認証技術が正しく設定されていないと、 「このメールは本当に正しい送信元から送られたものか?」と疑われ、 受信側でメールがブロックされることがあります。
メールを確実に届けるための解決策
1. Google WorkspaceのSMTPサーバーを利用する
レンタルサーバーから直接メールを送信するのではなく、 Google Workspace の SMTP サーバーを経由することで、信頼性が向上しメールが届きやすくなります。
設定方法
- Google Workspace に登録し、独自ドメインのメールアドレスを取得する。
- WordPress の
WP Mail SMTP
プラグインをインストールする。 - SMTP サーバー情報を設定する:
- サーバー:
smtp.gmail.com
- ポート:
587
(TLS)または465
(SSL) - 認証: 必須(Google Workspaceのアカウント情報を使用)
- サーバー:
2. SPF・DKIM・DMARC レコードの設定
メールの信頼性を高めるために、DNSレコードに以下を設定しましょう。
SPF 設定
- ドメインのDNS管理画面を開く。
- TXTレコードを追加。
v=spf1 include:_spf.google.com ~all
DKIM 設定
- Google Workspace の管理コンソールで DKIM キーを生成する。
- DNSにTXTレコードを追加。
- 設定を有効化し、メールの署名を確認。
DMARC 設定
- DNSに以下のTXTレコードを追加。
v=DMARC1; p=quarantine; rua=mailto:admin@yourdomain.com; ruf=mailto:admin@yourdomain.com; fo=1
- DMARCのポリシーを適切に設定(
p=none
,p=quarantine
,p=reject
)。
3. WordPress側の設定を見直す
WordPressの Contact Form 7
などのお問い合わせフォームのメール送信を見直しましょう。
From
アドレスを Google Workspace のメールアドレスに設定する。WP Mail SMTP
でメール送信をGoogle SMTPに変更する。Reply-To
を適切に設定する。
追加チェックポイント
- Google Workspaceのスパムフィルタ設定を確認する
- サーバーのエラーログを確認し、問題を特定する
- 送信元のIPアドレスがブラックリストに登録されていないか確認する
- メール送信制限(Google Workspaceは1日2,000通まで)を確認する
まとめ
お問い合わせフォームからのメールが届かない原因は、 サーバーの制約、認証設定の不足、SMTP未使用の3つが主な要因です。
解決策として、Google WorkspaceのSMTPサーバーを利用し、 SPF・DKIM・DMARCを適切に設定することで、メールの到達率を向上させましょう。
メールが届かずお困りの方は、ぜひこの対策を試してみてください!